
私が看護師として勤務していた頃、何よりも大切だと痛感したのが「コミュニケーション力」です。
医学部の受験対策というと、どうしても学科の点数や知識の詰め込みばかりが注目されがち。
ですが、実際の医療現場に飛び込んでみると、言葉の選び方一つで患者さんの表情が和らぐこともあれば、逆に不安を煽ってしまうことすらあります。
医学部予備校と聞くと、まず浮かぶのは徹底した受験指導や模試対策。
けれど、近年では「将来の医療現場を見据えたコミュニケーション力の養成」に力を入れる予備校も増えているのが実情です。
私自身、北の大地・北海道で生まれ育ち、看護学科を卒業したあと、総合病院の内科病棟に勤務していました。
その中で感じた「患者さんの想いに寄り添うこと」と「医学部受験のモチベーションアップ」が実は大きく関わっている、という事実をお伝えしたいのです。
本記事では、私が看護師として得た経験を交えながら、医学部予備校でコミュニケーション力を伸ばすためのポイントを掘り下げていきます。
将来、患者さんにしっかりと向き合う医師や看護師になりたいと願う受験生のみなさんの参考になれば幸いです。
Contents
患者とのコミュニケーションに学ぶ“医療人”の本質
体験から感じた患者さんの声の重み
病院の内科病棟で働いていた頃、私が担当したある高齢の患者さんが、入院生活に対してとても強い不安を感じていました。
ご家族も遠方で、誰にも相談できないという思いが重なり、心細さが募っていたのです。
その方は「薬の説明も難しくてわからない」「先生や看護師さんに遠慮しちゃって聞きづらい」という悩みを抱えていました。
このとき、ただ医学的な知識を伝えるだけでは、患者さんの気持ちを楽にするのは難しいと痛感しました。
患者さんの声に真摯に耳を傾け、分かりやすい言葉でゆっくり説明する――。
その姿勢が相手の孤独を少しずつ解きほぐすきっかけになるのです。
このように、医療従事者として問われるのはコミュニケーションの質。
「患者さんが本当に理解しているか」「安心できているか」を察するには、相手の表情や声のトーンに気を配る必要があります。
いくらテストの点数が高くても、患者さんが自分の口から悩みを打ち明けてくれなければ、それを解決することは難しいのだと実感しました。
受験知識と現場感覚をつなぐヒント
こうした実体験は、医学部を目指す方々にも大いに役立つはずです。
受験生の勉強は、どうしても教科書や問題集との“対話”が中心になりがち。
しかし、本来の医療の世界では、目の前の患者さんとのコミュニケーションがとても重要です。
- 説明力:医学部受験では暗記や計算力だけでなく、相手に正確な情報を伝える力が求められます。
- 迅速な判断力:多くの情報を限られた時間で整理し、優先順位を考えながら説明する力が大切です。
- 相手の心情を読むスキル:コミュニケーションとは相手あってこそ。患者さんがどんな感情でいるのかを見抜き、それに合わせて表現を変える柔軟性が必要です。
「受験勉強で得た膨大な知識」が、現場ではいかに患者さんの安心に結びつくか――。
そのイメージをしっかりと持つことで、学習そのもののモチベーションを高めることができるでしょう。
医学部予備校でコミュニケーション力を伸ばす秘訣
ロールプレイやグループディスカッションの活用
多くの医学部予備校では、教科別の講義や過去問演習が中心となります。
しかし最近は、受験生同士が患者役や医療従事者役を演じるロールプレイを取り入れるところもあるようです。
それぞれが医師になったつもりで問診をしたり、患者さんになりきって疑問を投げかけたりすることで、教科書には載っていない「相手の反応を読み取る力」を培えるのです。
また、グループディスカッション形式の学習も効果的だと感じます。
複数の受験生がチームを組み、課題やケーススタディに対して意見を出し合う過程で、自然とコミュニケーション力が磨かれていくのです。
こうした対話型の学習を積み重ねることで、将来の実習や臨床場面でも臨機応変に対応できる“土台”が築けるのではないでしょうか。
予備校選びとカリキュラムのポイント
では、コミュニケーション力を重視したカリキュラムを提供する医学部予備校とはどんなところでしょう。
チェックしておきたいポイントを、簡単な表にまとめてみました。
視点 | チェックポイント |
---|---|
講師陣 | 医療現場を知る講師や、面接対策に長けた指導者がいるか |
授業内容 | ロールプレイやディスカッション形式を取り入れているか |
学習教材 | 実際の医療ケーススタディが豊富に含まれているか |
面接指導 | 面接対策だけでなく、人間力を育むプログラムがあるか |
さらに、医学部受験に特化した全国的にも珍しい予備校として、東京や名古屋、福岡などの大都市を中心に校舎を展開する「富士学院」が挙げられます。
アクセスしやすい立地や培われた豊富なノウハウが魅力で、年間を通じた受験対策だけでなく、期間特別講習など多彩なコースが用意されています。
特に合格者数が多い点でも注目されており、将来医師を目指す受験生や現役合格を狙う方にも心強いでしょう。
興味がある方は、富士学院の特徴/費用/評判・口コミは?をご覧いただくと、より詳細な情報を得ることができます。
看護師経験で見えた受験対策と現場のギャップ
なぜ医学部受験で“現場目線”が必要なのか
看護師として現場に立ったとき、「合格さえすればいい」という考え方では乗り越えられない場面が多々ありました。
例えば、急変した患者さんへの対応や、家族への説明など、机上の学びだけで対応できるわけではありません。
それでも、受験勉強のプロセスで培った基本知識や思考力は大前提として大きな武器になります。
問題は、その知識をどう使いこなすか。
「現場目線」がしっかりと身についていると、単なる知識の羅列ではなく、“人を救うために”どう活かすかを考えやすくなります。
私自身、看護実習や病棟勤務を経る中で、暗記していた病態生理学の内容が、一人ひとりの患者さんに具体的に結びついていく瞬間を何度も経験しました。
それは、「ああ、このために勉強してきたんだ」という実感を伴い、次の学びへの意欲へとつながりました。
患者との触れ合いが学習意欲を加速させる理由
受験生の多くは、目の前の試験に集中してしまいがちですが、「この先にどんな医療が待っているのか」を想像する機会があるとモチベーションは大きく変わります。
患者さんとの触れ合いを通じて、「自分もいつかこの方を笑顔にできる医師や看護師になりたい」という強い想いが生まれるかもしれません。
- 患者さんの表情:言葉で伝えられないSOSをキャッチする力が求められます。
- 状況への対応力:突発的な出来事が起こっても、落ち着いて状況を把握し、最良の判断を下すトレーニングが必要です。
- チーム連携:医師・看護師・コメディカルスタッフが互いに情報を共有し合うスキルが欠かせません。
こうした能力のベースは、実は受験生のうちから育まれると思っています。
ただ合格ラインを越えるだけではなく、「どんな医療人になりたいのか」を意識して学ぶことが、後々の臨床実習や現場デビューの際に大きく役立つのです。
コミュニケーション力がもたらす未来への展望
合格後の臨床実習や看護実践へのステップアップ
医学部に合格した後は、待ち受けるのが様々な実習や試験。
そこでもやはり、患者さんとの距離感の取り方や、症状や検査結果を的確に伝えるコミュニケーション力がものを言います。
例えば、臨床実習の場面では、患者さんが本当に理解しているかどうか、聞いてみる勇気を持つことが大切です。
看護師として働いていたとき、学生さんが初めて患者さんを担当した際に、「ここまでは自信がありますが、ここからはわかりません」と正直に言いながらも、一生懸命学ぼうとする姿勢を見てきました。
そのときの患者さんは「分からないことはちゃんと調べてから伝えてくれるから、安心できるよ」と笑顔を見せてくれたのです。
コミュニケーション力は、わからないことを素直に認める勇気や誠実さとも深く結びついています。
患者中心の医療へとつながる学びの継続
医療の世界では、「患者中心の医療(Patient-Centered Care)」という考え方が広がっています。
これは、患者さんの個性や価値観、生活背景を尊重し、その人自身が主体的に治療やケアに参加できるようサポートしていく姿勢です。
受験生のうちから患者さんとのコミュニケーションについて学んでおくと、将来自然にこの概念を受け入れやすくなると感じます。
なぜなら、患者さんへのアプローチを“やるべきタスク”として捉えるのではなく、“その人に寄り添うために行う行為”と認識できるからです。
そして、「自分のコミュニケーションが相手の人生に大きな影響を与えるかもしれない」という責任感が、日々の学びをより深いものにしてくれるでしょう。
まとめ
患者さんとの触れ合いから学べるコミュニケーション力は、医療現場で働くうえでの土台です。
看護師として経験した私から見ると、医学部受験の段階でこそ、その意識を高めておくことが合格後に大きなアドバンテージになります。
ただテキストを暗記するだけでなく、自分が将来向き合う患者さんの姿をリアルに想像しながら知識を吸収することで、学習の質は飛躍的に高まるはずです。
医学部予備校は“合格”を目指す場所でありながら、同時に“これからの医療人としての在り方”を学ぶ場でもあります。
ロールプレイやグループディスカッション、ケーススタディを活用したカリキュラムを通じて、コミュニケーション力をじっくり培う意義は計り知れません。
そして、患者さんの気持ちに寄り添う視点を持った受験勉強が、将来、医療の現場で大きな支えとなることは間違いありません。
「一人ひとりの患者さんときちんと向き合いたい」。
そんな願いを持つ受験生の皆さんに、私の経験が少しでも励みになればうれしいです。
これから挑む受験生活とその先に待つ医療の道が、充実した学びと温かな人間関係であふれますように。
最終更新日 2025年2月28日