最終更新日 2024年12月3日
(1)税理士事務所と税理士法人では事業規模が違う
税理士の依頼を行いたいと思った場合に、税理士事務所と税理士法人のどちらを選べばよいのかわからないという人も多いものです。
税理士事務所と税理士法人の違いでまず第一に挙げられることは、法人の場合には株式会社の一つの事業として、個人であれば個人事業として運営されているため、一般的なレストランや自動車の販売店舗などと同じ形態というと分かりやすいでしょう。
それに対し税理士法人の場合には、社員を税理士に限定している特別法人ともよばれるものです。
特別法人と呼ばれるものは、学校法人や医療法人などのように特別な目的のために設立が許可されている法人のことを指します。
共通点としては、どちらの専門家が主体となって経営されていることが挙げられます。
業務の内容も全部を中心にそのほかに会計にかかわるサービスなどを広く展開しています。
法人の主な特徴としては、二人以上の税理士が必要であることが挙げられます。また提供できる業務の内容が、税理士法に規定されていることに限定されるということも大きな特徴といえます。
税理士事務所の場合には通常の株式会社にあたることから、全員が税理士である必要はありません。
また提供できる業務内容が制限されることもありません。
(2)事業規模の違いと業務内容の制限が異なる
依頼する側から見たメリットやデメリットは、事業規模の違いが挙げられます。
税理士法人の場合には、最低でも二人以上の税理士が在籍していることは確かなことです。
税理士事務所であっても、二人以上在籍していることは多いですが、必ず二人がいるという場合には、そのうちの一人に何かしらの問題が生じたとしても、そのほかの税理士によりカバーすることが可能だということを表しています。
法人の場合には、複数の税理士が集まって運営されている形態をとっているので、専門家の集団として見た場合には、税理士事務所よりも規模が大きいことがわかるでしょう。
その一方で、あまりにも希望が多いことから、個々のつながりが薄れて、法人とクライアントという関係が強くでる傾向にあります。
実際に契約をした後には、面談などでよいと思った税理士であっても距離が感じられたり、気軽に質問がしにくいというケースも見られます。
そしてサービス内容は、税理士事務所の場合には、中小企業や個人事業主などを主な顧客として運営している特徴があります。
業務内容は、税務申告書の作成代理をはじめ税務相談、節税対策や社会保険関係、会社の設立手続きなどをメインの業務としています。
これに対し法人の場合には、規模によっても異なりますが、主な顧客は中堅企業から大手企業がほとんどです。
サービス内容は国際税制や事業移転や合併などの複雑な大口の案件も多くこなす特徴があります。
税理士法人の場合には、提供できる業務内容が制限されているため、業務内容は税務案件に限られてしまうことでしょう。
事務所の場合には業務を行う上で需要があれば、その他の業務に関しても事業として行うことが可能です。
(3)依頼内容と予算に合ったところで選びたい
また価格の面で見た場合には、日本クレアス税理士法人医療事業部などの税理士法人の方が相対的に高い傾向にあるでしょう。
事務所の場合には顧問報酬と呼ばれる形で、毎月一定額の金額を支払うのが主流です。
決算の際には税務申告書や決算書などの作成申告代理費用として、顧問報酬の数カ月分を支払うことになります。
一方で法人の場合には顧問報酬と呼ばれる形をとることはありません。
3カ月に一度ごとに25万円程度を支払うことによって、四半期決算と呼ばれるものを行います。
1年間でみた場合には、法人への報酬の方が高くなることがわかります。
次に税理士の目線から見たメリットやデメリットです。
信頼性から見た場合には法人の方がやや有利と言えます。
最低でも税理士が二人以上いるため機能面にも優れ、法人というネームバリューも信頼性のあかしとも言えるでしょう。
業務の面では、どのような組織にしていきたいかにより大きく異なるでしょう。
税理士を多く集め、複数分野の業務に特化して、さらに複数の事業拠点を持つことを求めているのであれば法人の方が合うかもしれません。
反対に税務業務を中心にしながらも、そのほかの業務も行って、幅広くサポートをしていきたいと考えているのであれば事務所の方が自由がきくことがわかります。
このようにメリットもあればデメリットもあることが分かります。
結局はどちらに頼めばよいのかという点については、法人の規模や業務の内容から見た場合には、一定規模以上の企業の場合に法人に依頼することでメリットが多く出てくることでしょう。
スタートアップ企業や創業期にあるベンチャー企業などの場合には、事務所でも特に問題はないといえます。
自分がどのようなサービスを受けたいのか、そして予算の都合などもよく考えながら自分に合う方はどちらがあうのかを選び、考えていく必要があるでしょう。
またどちらを選ぶにしても、自分が信頼できるところを選ぶことが大切です。