最終更新日 2024年12月3日
現在、問題となっている原子力発電所の仕組みと危険性について今回は見て行きましょう。
まず原子力発電について迫っていく前の基礎知識として、是非知っておいていただきたい火力発電の仕組みについて紹介していきます。
Contents
火力発電の基本的な原理
火力発電の基本的な原理は燃料を燃やしてお湯を沸かすことによって、蒸気を発生させます。
その蒸気によって発電をさせるというのが、火力発電の基本的な原理です。
では、火力発電の仕組みを見て行きます。
まずは、石油や石炭、液化天然ガスといった化石燃料を燃やして水を温めます。
そこで、水を温めることによって発生する高温で高圧な蒸気をタービンに強い勢いでタービンに当てることによってタービンを回し電気を発生させます。
また、タービンを回した後の蒸気は復水器というものを通して再び水に戻り再利用されていくというのが火力発電の仕組みです。
しかし、火力発電では再利用することのできない大量の化石燃料を消費するので、環境に優しくないと言った問題が生じます。
では、この仕組みをよく覚えていてください。
原子力の基礎知識となる核分裂の仕組み
続いて原子力発電の仕組みを紹介していきます。
まずは原子力の基礎知識となる核分裂の仕組みです。
原子力発電の燃料としてウラン235という核分裂しやすい物質を使用します。
他の物質を使用する場合もありますが、今回はあえてウラン235に的を絞って説明したいと思います。
核分裂反応はウラン235に中性子がぶつかることによって発生します。
核分裂反応が発生すると膨大な熱が発生します。
また、核分裂反応は一度発生すると連鎖的に起こり続けるので、どんどん膨大な熱が発生していきます。
これが核分裂の仕組みです。
では、原子力発電の仕組みについて紹介していきます。
原子炉内において核分裂により発生した膨大な熱が、燃料の周りにある水に伝えられ大量の高温で高圧な蒸気を発生させます。
そして、その蒸気をタービンに強い勢いで当てることにより電気を発生させます。
基本的な発電の仕組みは火力発電も原子力発電も共に一緒
タービンを回した後の蒸気は復水器を通して水に戻されます。
そして、再びその水の温めるという流れが出来上がります。
また、原子力発電に使用されるウラン235は再利用することができ、少ない量で膨大な熱を得ることができるので、効率もいいです。
ここでお気付きの方も多いかと思いますが、基本的な発電の仕組みは火力発電も原子力発電も共に一緒なのです。
細かい違いはありますが、大まかな火力発電と原子力発電の違いといえば、燃料に再利用ができない化石燃料を使用するのか、再利用ができる原子燃料を使用するのかということです。
このように見てみると一見、火力発電よりも原子力発電の方が優れているかと思われるかもしれません。
ですが原子力発電に使用する原子燃料はとてつもなく危険なのです。
原子燃料の危険性について
では、原子燃料の危険性について見ていきましょう。
まず、核分裂反応は先ほどあったように連鎖的に発生します。
このコントロールは非常に大切で難しく、失敗してしまうと爆発事故を発生させてしまいます。
また、原子燃料を再利用できると言っても無限に再利用できるわけではなく、いつかは放射線廃棄物というものが発生します。
この放射線廃棄物と言うものが非常に危険なのです。
では、原子燃料や放射線廃棄物の何が危険なのでしょうか。
まず、核分裂が発生すると熱と一緒に放射線が放出されます。
レントゲンなどのような少量なら問題ありませんが、原子燃料や放射線廃棄物などから出されるような大量の放射線を一度に浴びてしまうと、体に深刻な影響をもたらします。
一時的な脱毛や皮膚の状態、最悪の場合命を落とす
まず、一度に大量の放射線を浴びてすぐに現れる急性症状でいうと、一時的な脱毛や皮膚の状態、最悪の場合命を落としてしまうことがあります。
また、慢性的な晩発症状で言うと発がんの可能性が高くなったり、白内障になりやすくなったりします。
このように放射線物質というものは非常に危険な物質なので、しっかりとした厳重な管理が求められます。
原子力発電では、火力発電などに比べて効率良く発電を行うことができる代償に重度の危険が伴い、また、高い技術をもって厳重な管理をすることが必要なのです。
その中でも万が一事故が発生してしまった場合には取り返しのつかないことになってしまいます。
例えば、爆発事故が発生してしまうと、ここまでに説明したようなとてつもなく危険な放射線物質が爆発によって撒き散らされて、近くに住む方の大切な故郷を奪ってしまうことにつながるのです。
株式会社アトックスまとめ
また、放射線物質はすぐには消えず、かなりの長い年月残り続けることになってしまいます。
すぐに、原子力発電をなくすことは難しいことですが、高い技術力を持っていたとしても、危険が伴う原子力発電を扱い続けることは危険です。
まずは、少しずつでも太陽光発電などの新時代のエネルギーによる発電の研究を積極的に進めていき、いつかは、安全で環境にも優しい新世代のエネルギーによる発電に転換していかなければなりません。